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「省エネ住宅について」

「省エネ住宅について」
地球温暖化による平均気温の上昇、世界情勢と密接な関係にある燃料費の高騰、様々な観点から日本の住宅における省エネ化は避けては通ることのできない大きな問題となっております。

しかしながら、省エネ化とはそもそも何をしたら良いのでしょう。

このページはそんな不安や疑問を解決するための特設ページになっています。実際に新築・リフォームする際の参考にしましょう。

2025年省エネ基準適合義務化

省エネ住宅について写真1

政府の発表では、『新築住宅は2025年度から断熱材の活用などで省エネ基準を満たすよう義務付ける。』とされています。

断熱材にはいろいろ種類があり、素材や形状、用途はさまざまです。繊維系断熱材は主に充填断熱工法に、プラスチック系断熱材は主に外張断熱工法に用いられます。

まず重要なのが、この省エネ基準は全国どの地域でも同じ基準ではありません。北海道と沖縄では年間通して気温が全く違うわけですから当然基準も異なるわけで、省エネ基準では全国を8つの地域に区分しています。

さて、私たちの住む一関市は何地域なのか・・・

                                       
地域番号詳細
3地域一関市(下記以外の地域)
4地域一関市(旧一関市、旧花泉町、旧大東町)

実は2つの地域にまたがっていて、簡単に言うと数字の小さい地域のほうが省エネ基準は厳しくなっています。

それでは、建物の各部位においてどのような断熱材を使えば基準をクリアできるのか説明していきたいと思います。今回は軸組工法の充填断熱工法とした場合の仕様例となります。


①屋根3・4地域
共通
高性能グラスウール16K熱抵抗R≧4.690+90mmR=4.8
②壁3・4地域
共通
高性能グラスウール16K85mm以上R=2.2以上
③天井3・4地域
共通
高性能グラスウール16K熱抵抗R≧4.0155mmR=4.1
④基礎壁3地域押出法ポリスチレンフォーム
3種bA
熱抵抗R≧3.5100mmR=3.6
4地域押出法ポリスチレンフォーム
3種bA
熱抵抗R≧1.750mmR=1.8
⑤床3地域押出法ポリスチレンフォーム
3種bA
熱抵抗R≧3.3100mmR=3.6
4地域押出法ポリスチレンフォーム
3種bA
熱抵抗R≧2.265mmR=2.3

24時間換気システムで人も建物も長寿命化

省エネ住宅について写真2

人が人生の中で一番多く摂取する物質は、食べ物でも飲み物でもなく、空気です。その中でも室内の空気が一番多いといわれています。

かつての日本家屋は換気をしなくても風通しが良く、自然に換気が行われていました。

けれども、最近の住宅は省エネ性や快適性などの観点から、高気密・高断熱の家が好まれるようになり、冷暖房の効率が良くなった一方で、天気の悪い日や防犯上の問題で窓を開けての空気の入れ替えが行いづらく、自発的に換気をする必要があります。

住宅で採用されている24 時間換気システムには、新鮮な外気を機械で給気して、汚れた空気を機械で排気する方法と、給気は自然給気で行い、排気のみ機械で行う方法があります。

適切な換気方法が行われていないと、シックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドを多く含む家具や、生活している人の呼吸から排出される二酸化炭素などにより空気が汚染され、さらには結露によるカビの原因にもなります。

適切な換気をして、建物の⾧寿命化や、住む人の体調を良好に保ちたいですね。

温度のバリアフリー化

新しい生活様式写真3

家の熱が逃げる割合は、家の断熱性能やエネルギー効率に大きく影響されます。ではどこに、どれくらいの断熱をしてあげれば良いのかを見てみましょう。

省エネ住宅について写真3

この絵のように、家の壁、屋根、窓、ドアなどの断熱材や断熱構造がどれだけ効果的なのかが重要です。 断熱性能が高いほど、外部からの熱の侵入や室内からの熱の逃げる割合が少なくなります。

最近では窓の性能が格段に上がり、採光、通風、採熱、断熱の計画の幅が広がり、快適な住空間を設計しやすくなりました。

孫やひ孫に何が残せるのか? 

100年後の地球環境を考えて住まいづくりを計画されることを切に願います。

ご家庭でできる省エネ対策

ご家庭でできる省エネ対策

水道光熱費などについて意識して節約されている方も多いかと思います。その中でも、代表的なもの、あまり知られていないものも含めて節約術をご紹介いたします。

【給湯設備】
・お湯を長時間使わない時は給湯器リモコンの電源を切り、待機電力の発生を抑えましょう。

・節湯水栓を使用し、お湯の使用量を抑えることができます。古くなった水栓や使用頻度の多い箇所を節湯水栓に変えてみてはどうでしょうか。


【冷暖房設備】
・エアコンと扇風機やサーキュレーターを同時に使用することで室内温度のムラがなくなり、光熱費の節約になります。

・エアコンのフィルターに汚れがたまると、エアコンの性能が下がり光熱費があがります。カビの繁殖を防ぐためにもこまめに掃除を行いましょう。

・室外機の周囲が物や庭木、草などでふさがっていると冷暖房効果が低下し光熱費があがります。室外機の周囲を塞がず、風通しを良くしましょう。


【照明設備】
・消費電力の少ないLED照明の中には時間帯や部屋の明るさで自動点灯・調光できるものがあります。さらにセンサータイプに変えることで消し忘れを防ぐこともできます。

・照明器具をリモコン操作にてオフにしても待機電力は発生します。長時間照明器具を使用しないときには壁スイッチでオフにしましょう。

窓ガラス(サッシ)は種類によって性能が違う!?

窓ガラス(サッシ)は種類によって性能が違う!?

窓ガラス、正確にはサッシと呼ばれる建物には欠かすことのできない部材ですが、種類によって性能が違うことをご存じでしょうか。

種類によって建築金額だけでなく、 日々の光熱費が大きく異なるので違いについてより詳しく説明させていただきます。

サッシは枠(フレーム)とガラスに大別されます。それぞれの特徴を分けていきましょう。

【サッシ枠】
・アルミ
高耐候で色褪せもほとんどしない金属製のサッシで昔からよく使われてきましたが、樹脂の1000倍も熱を通しやすい特性から省エネ化の流れで使われる機会がほとんどなくなってきました。

・アルミ樹脂複合サッシ
アルミの対候性の良さを外側に使ったまま内側を樹脂にしたサッシです。アルミサッシより断熱性能が良く色々なバリエーションがあるのが特徴です。

・樹脂サッシ
現代の樹脂サッシに使われるのは塩化ビニル(PVC)で色褪せも少なく対候性も向上したため断熱サッシとして広く使われるようになりました。 アルミよりは耐紫外線性能に劣りますが結露が起きにくい住宅の高寿命化に併せて同程度の寿命としてよく使われています。

・ウッドサッシ
樹脂サッシと同等以上の断熱性能で住宅にも使われることがあります。断熱性能は良いものが多いですが高価で重いサッシですので引き違い窓には向かない一面もあります。 また外側が木製の場合は定期的な塗装が必要です。

【ガラス】
・シングルガラス
昔からよく使われてきた一枚ガラスです。スペーサーを交換する事でペアガラスに交換することもできますが、密閉される空気やガスの層が薄いため、 断熱を目的として交換する場合はサッシの交換や内窓を検討されると良いと思います。

・ペアガラス
ガラスが二枚になり空気や断熱ガスを封入したガラスになります。シングルガラスから一般ペアガラスは約2倍、シングルガラスから後述するLow-Eのペアガラスは3.5~4.2倍程度の断熱性能が有ります。

・トリプルガラス
ガラスが三枚でガス層も2重になり断熱性能が非常に優れたガラスです。結露も起きにくく真冬に窓際に立っても足元の冷えもほとんど感じられないほどです。 ガラスが三枚重なる事により光の透過は多少落ちます。シングルガラスの約8倍程度の断熱性能があります。

・Low-E
ガラスの表面に特殊な金属皮膜を施したガラスでシルバーやグリーンやブロンズなどの色が付くガラスが多いです。ペアガラスやトリプルガラスに組み合わせて使います。 皮膜をガラスの外側、内側などどこに設けるかの差で日射熱を入れたり西日を防いだりと特性が変わります。

・真空ガラス
ガラスを二枚以上用いて真空層を造り断熱性能を向上させたガラスです。これもトリプルガラスなどと合わせて使う事もあります。 よく見るとガラス同士が付かないようにスペーサーがありますが、ほとんど見えないので気になりません。

サッシの断熱性能の例